感性ネーミングの3法則

感じる言葉の第一法則 〜 名と実態が一致すると気持ちいい

語感(発音体感)と、伝えたいコンセプトが一致したとき、人は、本質的な心地よさを感じます。
軽やかなスポンジのケーキには、発音も軽やかな「ショートケーキ」、もっこりとしたケーキには、唇をふっくらと使う「モンブラン」、ごつごつしたケーキには、喉の筋肉を固く使う「ガトーショコラ」。お菓子の一般名称を並べていくだけでも、名と実体が一致することばの賞味期限が長いのがよくわかります。

企業名を例に挙げると、日立<ヒタチ>は、熱い息を感じさせるヒに、口腔を高く上げ、しっかりと舌を使うタチの組合せ。情熱と凛々しさ、確かさを感じさせます。
シャネルは、爽やかなS音と、優しいN音、華やかなL音の組合せで、女性ブランドらしさを彷彿とさせます。
長く愛されるブランドは、実体と響き合うネーミングを持っています。

感じる言葉の第二法則 〜 年齢や性別で気持ちいい語感は違う

赤ちゃんが、生まれて初めて発音する子音は、おっぱいを加えた口腔形で出すM音。続いて、授乳で疲れた唇を弛緩するために出すBやPです。発音できるということは、認知性が高いということ。子どもに振り向いてほしかったら、この3音を使うといいでしょう。ミッキー、ミッフィー、アンパンマン、プーさんなど、息の長い幼児向けのキャラクタのほとんどに、この3音が使われています。
思春期に入り、「愛と暴力のホルモン」と呼ばれる男性ホルモン・テストステロンが出始めると、男性たちは、重低音を伴う濁音(G,B,D,Z)の力強さを好むようになります。ガンダム、ボルボ、ジャガー、アキバ、牛丼、バーガーキングなどなど、濁音ネームを並べていくと、男子仕様なイメージが匂い立つのではないでしょうか。
大人の女性は、爽やかなS音や、JやYなどの筋肉を弛緩させて出す癒し系の音を好みます。大塚製薬のSoyJoy<ソイジョイ>は、口腔表面をソフトに撫でる息の風ソと、舌の優しい振動音ジョの癒し効果が印象的なネーミング。働く大女性をターゲットにした、身体に優しい携帯食のネーミングには、まさにうってつけの名前でした。

感じる言葉の第三法則 〜 時代によって気持ちいい音は違う

2000年代は、「癒し」「愛」「魔法」「スイート」「グラマラス」「モテ」など、甘くて優しいことばが多く使われていました。
2013年以降、ことばは、シャープさを見せ始めました。女性誌には「譲れない」「本格派」「凛々しい」「女子力」「パワー女子」などしっかりしたことばが目立ち始め、男性市場でも、「世界一」「世界初」など、突出したキャッチコピーが売り上げにつながるようになってきています。
凛々しいことばの好感度は、2020年から数年がピークと見られます。

3法則図